いちだ農産のあゆみ
ただの保存食ではない高級な和菓子のように
私が市田柿製造を始めた時、「この美味しさはただの保存食にしてはもったいない・・・、自然の甘みを生かした上質の和菓子のように丁寧に食べていただきたい・・・」その思いから、より品質の良い市田柿を丁寧に選別し、個包装にして、高級和菓子の分野で売り出そうと思いました。
最初の頃は市田柿を特産にしようと一緒についてきてくれる農家さんはほとんどいませんでした。
しかしその後、自然食のブームにのって大手の会社が次々に市田柿を売り出してきました。
全国的に市田柿がブームに
たくさんの人が市田柿を作ることは地域みんなで盛り上げ、より全国に名が知られるようになるために、とても良いブームでした。
しかし、「市田柿」は工場で大量生産・計画通りに作られる加工食品とは違い、自然の力を利用して作られるものです。
自然の恵みと災害は、両刃の剣。台風がなくてほっとしたと思ったら、思いがけない長雨で柿が水っぽくなってしまったり、良い柿の実づくりからはじまる1年ですが、何があるかわからないので一年中気が抜けません。
今では「地理的表示保護制度(GI)」に指定され、製造場所や製造方法が決められた「市田柿」ですが、難しいノウハウがあるのも事実です。
高森町全体に畑が広がる
時代は変わり、高齢化が進むと、農業法人である当社は、町のあちこちの柿の木を委託されるようになりました。今では高森町中に当社契約の柿畑が広がっています。
収穫の時期を見極めることはとても重要で、木の上で美味しく熟した柿の実から作る市田柿は、本当に美味しくなります。
しかし、収穫時期を過ぎると皮がうまく剥けなくなってしまいます。
たくさんある畑のどこから上手に収穫して、仕分けと、皮むき、そして吊るす、一連の作業を素早くやっていかないといけないので、スタッフさんたちの連携も重要です。
手作業を大切にしている
市田柿は大きな工場のなかで作るものではなく、手作業でハウスの中に吊るして、風を当て、日光を当てます。
太陽の恵みは必要ですが、暖冬すぎても美味しく仕上がらないので、適度な日光と、適度な冷たい風と、適度な湿度。これを毎日やるハウスの空け締めで微妙に調整していきます。
そして、柿がほどよく干しあがったところで、今度は天日干しをしながら、柿揉みをします。
機械で回す農家さんが多い中、当社がこれを手作業でやっているのは、揉みながらいつも柿の仕上がり状態に気を配って美味しくなるように調整しているからです。
季節になると真っ白い粉が
このように市田柿づくりはとても慎重に様々な手順で行っていき、12月中旬から1月・2月の極寒の季節になると、真っ白く甘い粉がふいて、本当に美味しく仕上がります。
温かい部屋に放置すると粉が糖分に戻りベタついてしまいます。
できるだけ美味しい状態でお手元に届けたいので、発送作業も気を抜けません。
商売より作る喜び
農業法人で生産している以上、継続していかないといけない。
しかし楽しみにしてくださるお客様のためになるべく安く、美味しいものをお届けしたい。
畑が増えるたびに、ハウスや機械も増やしていかないといけませんが、品質を落とすわけにはいかないので、手間暇は惜しみません。また、リピーター様が多く、少しでも天候が悪くて味がのらない年は「ことしは少し味が薄いね」などとご批評をいただくこともあります。皆様の声もやりがいとなっております。
2月3月になっても美味しい市田柿を(第2の旬)
市田柿の一番の需要時期はお歳暮の、12月中旬までです。
しかし、なるべく美味しい柿の実を収穫しようと時期を見極め、その後の工程も丁寧にやっていくと、弊社ではほとんどの干柿は、1月以後に仕上がることになります。もちろん、年内の市田柿も旬ですが、味がしっかりとのった1月~3月の市田柿を弊社では第2の旬と呼んでおります。
お正月のお菓子として食べられる風習もありますので、ご家族皆さんで楽しんでいただき、また2月3月になっても弊社では旬で美味しい市田柿をお出しすることができますので楽しんでいただければ幸いと考えております。
会社概要
会社名 | 農業法人 有限会社 いちだ農産 |
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代表取締役 | 片桐 文雄 |
所在地 | 〒399-3105 長野県下伊那郡高森町牛牧2003-1 |
事業内容 | 市田柿を主力に生産、加工、販売 |
TEL&FAX | TEL 0265-34-2155 FAX 0265-35-7801 |
設立日 | 1997年 市田柿加工組合設立 1999年 (有)いちだ農産設立 |